日本では、2016年の障害者差別解消法の施行に伴い、医療、教育、司法などの様々な専門分野で聴覚障害者が手話を使用する機会が増加しています。
2020 年東京オリンピック/パラリンピック開催に向けて、外国人患者のために、厚生労働省から医療通訳育成カリキュラム基準・テキストが公開されました。そのカリキュラムには、医療通訳に必要なものとして「医療知識」、「言語の媒介」、「文化の仲介」の3 つがあり、それぞれに沿った医療専門性の内容となっています。それに伴い、東京大学・大阪大学等の大学院や教育機関において医療通訳養成コースが新たに設けられ、取り組みが進んでいます。
しかし、聴覚障害者のための手話通訳に関してはこのような専門的な取り組みはほとんどありません。手話も言語の1つとして扱い、医療の分野においてもその専門性を高めて医療通訳を担うことが望まれていますが、聴覚障害者の医療に関心をもつ医療関係者のネットワーク(聴障・医ネット)によると、手話通訳者を設置している病院の数はわずか21病院に留まり、全国的にもまだ少ない現状となっています。このような状況の中、大阪府では、6つの病院に手話通訳者を設置し、病院内手話通訳関係者は月に1度会議を行うなど積極的に取り組んでいます(聴障・医ネット調べ)。
そして、アメリカでは医療現場にろう通訳者がつくことの必要性が認識されおり、日本においても、言語と文化の専門家であるろう通訳者の認知が広まることが望まれています。
本シンポジウムでは、医療の現場における手話通訳の現状と前回の医療通訳企画を踏まえて、各講演者から、神奈川県内の外国人のための医療通訳、大阪府における病院内手話通訳の取り組み、およびろう薬剤師の視点からみた手話医療通訳の必要性をお話ししていただき、"医療知識が必要な事例"と"将来展望と課題解決"を検討・提言したいと思います。
【日時】 2018年9月17日(月・祝)10:15~17:00(受付開始:9:45~)
【申込期限】 2018年07月21日(土)
【会場】 川崎市国際交流センター(211-0033 神奈川県 川崎市中原区木月祗園町2番2号)
【交通機関】 東急東横線・東急目黒線「元住吉駅」下車徒歩 10 分〜12 分
【参加費】 会員2,000円 一般2,500円
【対象】ろう者、手話通訳者など医療通訳に関心のある方
【主催】NPO法人インフォメーションギャップバスター(IGB)
【共催】NPO法人川崎市ろう者協会(川ろう協)
【内容】
◆ 講演1 10:25~11:25(60分)
外国語医療通訳 -神奈川県での取り組みをもとに-
岩元陽子氏(英語通訳者、通訳コーディネーター)
NPO法人多言語社会リソースかながわ(MICかながわ)副理事長
1995年に横浜市金沢区で外国人支援・交流ボランティア団体立ち上げる
2002年よりMICかながわで英語通訳と通訳コーディネーターに携わる
◆ 講演2 11:50~12:50(60分)
病院内手話通訳 -大阪での取り組みをもとに-
上妻佳美氏(手話通訳士)
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪精神医療センター専任手話通訳者
◆ お昼休憩 13:05~14:30
◆ 講演3 14:30~15:30(60分)
手話医療通訳に必要なこと -ろう薬剤師の視点から-
柴田昌彦氏(ろう者、薬剤師)
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター薬局勤務
デフファミリー出身でろう者の受療権向上を目指して多方面において活動を行っている
◆ パネルディスカッション 15:55~17:25(90分)
事例検討会(医療知識が必要な事例)
司 会 :杉原大介氏(ろう者、NPO法人川崎市ろう者協会手話対策部長)
パネラー:岩元陽子氏(英語通訳者、通訳コーディネーター)
上妻佳美氏(手話通訳士)
柴田昌彦氏(ろう者、薬剤師)
川上恵氏(ろう通訳士)
沖縄県出身
日本財団聴覚障害者海外奨学金事業の第4期奨学生として渡米
ギャロデット大学大学院通訳学部修士課程修了
全米手話通訳者登録協会(RID)認定ろう通訳士資格を習得
現在、沖縄聴覚障害者情報センターに務めるかたわら、
国内外の手話通訳分野で活躍中
その他1名調整中
【申込フォーム】
https://infogapbuster.smktg.jp/public/application/add/41
イベントEVENT
2018年9月17日 神奈川県 / 情報提供者: 伊藤芳浩 様
2018 医療通訳シンポジウム in 川崎
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